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現在ブログ改修工事中です。恐らく多分きっとメイビーそのうちAstro製の既存デザインへと 変換しますので、見辛さは今暫くご容赦下さい。

passコマンドが最近上手く動かなくなった時の対処法[tree v2.0.0関連]

Posted on February 7, 2022
Updated on March 13, 2022
passtool

passコマンドは内部でtreeコマンドを使用しています。 このところ、treeコマンドの使用変更によってpassコマンドが上手く動かなくなったので その原因と対処法について書き残しておきます。

  • tree v2.0.0 から、FD 3が開いていると標準出力の替わりにそちらにデータをJSONで流すよ
  • 今迄通りの挙動をさせるには、 3>&- 等でFD 3を閉じてあげる必要があるよ
  • passはこれに対処済みだけどまだリリースされてないのでユーザーサイドでは使えないよ
  • 現状passを呼び出す際は必ず pass 3>&- としておけば対策できるよ

原因

treeの2.0.0リリースにて入った破壊的変更が原因です。

treeのCHANGELOGから引用させてもらうと

Output un-indented JSON on file descriptor 3 ("stddata") automatically if file descriptor 3 is present (currently Linux only.) Maybe switch to BSON.

ざっくりと訳すと「Linuxに於いては、File Descriptor 3が開いている場合はそこに整形されていないJSON を書き込むようになりました。BSONになるかもしれない」とのことです。

pass自体も普通に使っていれば問題ないのですが、 git credential を呼んだ際はどうしてか 沢山ファイルディスクリプタが使用されます。

私の環境下では以下のファイルディスクリプタが開いていました

  • 0 (標準入力)
  • 1 (標準出力)
  • 2 (標準エラー出力)
  • 255
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6

そう、ここで3番があったんですね…

対策

必要なのは、treeコマンドのファイルディスクリプタの3番を閉じるだけです。

上流で行われている対策

実はpassではこれに対して対策が取られており、commit:eea24967にてコミットされています。

しかし 、2022/02/07現在ではこれはまだリリースされていないためエンドユーザーは使用できません。 (まぁgitでmasterから取って来て使うことは勿論出来ますが)

はやいとこリリースされてほしい…

現状できること

passを呼び出す際にfd 3を塞ぎます。

bash
pass 3>&-

とすることで、passプロセスのファイルディスクリプタ3番を閉じることができます。 passを使用する何らかのスクリプトを書いている場合、当面はこうするのがよさそうです。

おまけ: >&- の意味

元は [n]>&word という形です。 n で指定された、出力のファイルディスクリプターを word で指定された番号の ファイルディスクリプターに複製します。 そして、 もし word- であるなら 指定したファイルディスクリプターを閉じます。

man:bash(1) Redirection 節の Duplicating File Descriptors に説明があります。

おまけ2: あるプログラムが開いているファイルデイスクリプターの一覧を取得する

Linuxでは、カーネルがあらゆる情報を procファイルシステム に擬似的なファイルとして書き込んでくれています。 (man:proc(5))

大抵はこれが /proc にマウントされているはずです。 各プロセスの情報は /proc/${PID}/ ディレクトリ下に生成され、ファイルディスクリプターの 情報は /proc/${PID}/fd ディレクトリ下に生成されます。

bash
ls /proc/$$/fd
0
1
2

参考